気象予報士な日々

風が語りかけます(´・ω・`)ノシ

お天気雑学/冷たい雨と言うけれど

季節が進んで冬型の晴れ一辺倒から周期的に天気が崩れるようになりました

気温も上下して三寒四温いう言葉がぴったりです

 

テレビで天気予報を見ていると、『明日は気温も下がり冷たい雨が降るでしょうなんて台詞を耳にすることもあるでしょう。

 

日本で降る雨は全て『冷たい雨だって知ってますか?

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冷たい暖かい雨って何が違う

実は冷たい雨と暖かい雨では、その形成過程が違うんです。


その違いは、上空で氷(=氷晶)になったことがあるかどうか


冷たい雨の形成過程

①水蒸気を含んだ大気塊が上昇。
②飽和に達した大気塊から水蒸気が凝結し、雲粒となる。雲粒がさらに上昇すると氷晶へと成長。
③上昇してくと氷晶は急速に大きくなり、やがて重力によって落下。
④落下する氷晶は過冷却水滴と衝突して雪の結晶へと成長。
⑤雪の結晶が、落下する際に溶けて雨粒となり地面に落下。

暖かい雨の形成過程
①上昇気流に乗って上空に運ばれる水蒸気が、直ぐに水滴に変化。同時に、海水からの塩の粒も巻き上げられる。
②上空へと運ばれた水滴は、塩粒の凝結核とともに、雲粒と衝突して大きく成長。
③雲頂付近に達した水滴は、やがて重力によって落下。
④落下の途中で別の雨粒を吸収し、さらに大きな雨粒となります。
⑤冷たい雨に比べ、より大きな雨粒となり地面に落下。

暖かい雨は 、形成過程で氷になっていませんよね。

夏でも冬でも冷たい雨

暖かい雨を降らせる雲は、冷たい雨の雲とは違い、雲の頂点(上空約10km)でも温度が0℃以下にはならないため、水蒸気や水滴が上昇しても氷晶にはならないんですね。


つまり、暖かい雨は、雲の温度が0℃を下回らない、熱帯地方でしか発生しない日本で降る雨は全て『冷たい雨、と言う訳です。


もちろんテレビで言う『冷たい雨』は、体感的な話でしょうから、間違っている訳ではないんでしょうけどね!


何気なく落ちてくる雨粒も、雲→雪→雨といった具合に姿を変えながら、地上にやって来ます。


雨の旅路に思いを馳せれば、雨の冷たさも気にならなくなるかもしれませんね。


( ´・ω・`)ノシではでは